漢文句法
⑤否定・禁止(禁止)
| 漢字 | 読み | 訳 |
|---|---|---|
| 勿・無・莫・毋 | ―(コト)勿カレ | ―してはいけない |
| 不可 | ―べカラず |
※以下、原文中の は置き字
酔臥沙場 君莫笑《王翰・涼州詞》
酔うて沙場に臥す。君笑ふ莫かれ。
私が酔ってこの砂漠の戦場に寝ても、あなたは笑ってはいけない。
己所不欲、勿施於人。《論語》
己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。
自分が望まないことは、他人に行ってはならない。
勿以悪小為之。《蜀書》
悪の小なるを以て之を為す勿かれ。
小さい悪だという理由で、これを行ってはならない。
過則勿憚改。《論語》
過ちては則ち改むるに憚る勿かれ
間違いをしたならば、その場合改めることをためらってはならない。」と。
勿謂遠。《十八史略》
遠しと謂ふ勿かれ。
遠いと言ってはいけない。
王請勿疑。《孟子》
王請ふ疑ふ勿れ。
王よ、どうか疑わないでください。
狐曰、「子無敢食我也。《戦国策・借虎威》
狐曰はく、「子敢へて我を食らふ無かれ。
狐が言うには、「あなたは決して私を食べてはいけない。
「寧為鶏口、無為牛後。」《十八史略・鶏口牛後》
寧ろ鶏口と為るとも、牛後と為る無かれ。
たとえ鶏のくちばしになるとしても、牛の尻となってはならない。(大国に屈服するより小さい独立国の主であれ)
無友不如己者。《論語》
己に如かざる者を友とする無かれ。
自分に及ばない者を友としてはならない。
王請無好小勇。《孟子》
王請ふ小勇を好む無かれ。
王よ、どうかくだらない勇気を好まないでください。
王無患焉。《孟子》
王患ふる無かれ。
王は疑ってはなりません。
将軍毋失時。時間不容息。《史記》
将軍時を失ふ毋かれ。時間は息むを容さず。
将軍は好機を失ってはならない。時は待ってはくれない。
昭侯謂使者、「毋敢洩吾所問於女。」《韓非子》
昭侯使者に謂ふ、「敢へて吾の女(なんじ)に問ふ所を洩らす毋かれ。」と。
昭侯が使者に言うには、「決して、私がお前に尋ねた事柄を他人に漏らしてはならない。」と。
楊布怒、将撃之。楊朱曰、「子
毋撃也
。」《韓非子》
楊布怒り、将に之を撃たんとす。楊朱曰はく、「子撃つ毋かれ。」と。
楊布は怒ってその犬を叩こうとした。兄の楊布が言うには、「お前は叩いてはいけない。」と。
少年易老学難成一寸光陰不可軽《朱熹・偶成詩》
少年老い易く学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず。
若者は簡単に年老いるが、学問の成就は難しいものだ。わずかの時間も軽視してはならない。
学不可以已。《荀子》
学は以て已むべからず。
学問は途中でやめてはならない。