単語の意味

人称を表す語

語句 意味 解説
ちん 秦の始皇帝以降、天子の一人称。 それ以前は天子以外にも用いた。
じん 諸侯の謙称(へりくだった自称)。 徳の寡(すく)ない人の意。
天子、諸侯の謙称。
乃公だいこう 目上の者の、目下の者に対する自称。
しん 主君に対する、臣下の謙称。
余・予 よ(われ)
ぼく ⑴使用人、家来
⑵私
⑵は謙称
しょう 女性の謙称。
し(こ) ⑴あなた
⑵(孔子)先生
⑶こども
⑷~人
⑵は「論語」における用法。 ⑷では、「三子」なら「三人」の意。
ふう ⑴あなた
⑵先生(孔子)
⑵は儒家における用法。
そっ あなた 相手に対する敬称。
こう あなた 相手を丁寧に呼ぶ語。
小子しょうし ⑴お前たち、弟子たち
⑵私
⑴は師が門人に呼びかける語。 ⑵は自分を謙遜した語。 他に「子ども」の意もある。
さん ⑴お前たち
⑵数人
⑴は目下の者、門人に呼びかける語。

※以下、原文中の は置き字
上曰、「吾自為詐、何以責臣下之直乎。方以至誠治天下。」《十八史略》
上曰はく、「吾自ら詐を為さば、何を以て臣下の直を責めんや。朕方に至誠を以て天下を治めんとす。」と。
皇帝が言うには、「私自身が嘘をつけば、どうして臣下に正直さを要求できようか、いやできない。私は今、この上ない誠実さで天下を治めようと思うのだ。」と。
梁恵王曰、「寡人之於国也、尽心焉耳。《孟子・五十歩百歩》
梁の恵王曰はく、「寡人の国に於けるや、心を尽くすのみ。」
梁の恵王が言うには、「私は国政においては、ひたすら心を尽くして努力している。
曰、「之有孔明、猶魚之有水也。」《十八史略・水魚之交》
曰はく、「孤の孔明有るは、猶ほ魚の水有るがごときなり。」と。
(劉備が)言うには、「に孔明がいてくれるのは、ちょうど魚に水があるのと同じだ。(必要不可欠なのだ)」と。
帝罵之曰、「乃公馬上得天下。安事詩書。」《十八史略》
帝之を罵りて曰はく、「乃公馬上に天下を得たり。安くんぞ詩書を事とせん。」と。
皇帝劉邦がこの者を大声でののしって言うには、「私は常に馬に乗って戦い続け、そうやって天下を手にしたのだ。どうして試経や書経などわざわざ学ぶ必要があろうか、いやない。」と。
良曰、「従沛公。有急亡不義。」《十八史略・鴻門之会》
良曰はく、「臣沛公に従ふ。急有りて亡ぐるは不義なり。」と。
張良が言うには、「私は沛公に付き従ってきた。この緊急事態に自分一人逃げるのは、義とは言えない。」と。
王曰、「殺人之子多。《史記》
王曰はく、「余人の子を殺すこと多し。
王が言うには、「私は人々の子どもを数多く死なせてきた。
子曰、「賜也、女以為多学識之者与。」《論語》
子曰はく、「賜や、女予を以て多く学びて之を識る者と為すか。」と。
孔子先生が言うには、「賜よ、お前はを、多く学んでよく理解している人間だと思うか。」と。
足下久不得僕書、 必加憂望。《白居易・与微之書》
計るに足下久しく僕の書を得ず、 必ず憂望を加ふるならん。
推測するに、あなたは長い間私からの手紙を受け取っていないので、心配していることだろう。
妻請去曰、「…是以求去也。」 《十八史略》
妻去らんことを請ひて曰はく、「…妾是を以て去らんことを求むるなり。」と。
妻が離縁を求めて言うには、「…私はこういうわけで離縁を求めるのです。」と。
或曰、「以之矛陥之盾、何如。」《韓非子・矛盾》
或ひと曰はく、「子の矛を以て、子の盾を陥さば、何如。」と。
ある人が言うには、「あなたのやりであなたのたてを突いたらどうなるか。」と。
曰、「学時習之、不亦説乎。《論語》
子曰はく、「学びて時に之を習ふ、亦た説ばしからずや。
孔子先生が言うには、「学んで機会あるごとに復習する、何と喜ばしいではないか。
九年、呉王闔廬 謂伍子胥・孫武曰、…二子対曰、《史記》
九年、呉王闔廬伍子胥・孫武に謂ひて曰はく、…二子対へて曰はく、
九年、呉国の王である闔廬が伍子胥と孫武に話し掛けて言うには、……。二人が答えて言うには、
予無知以先祖有徳臣。小子受先功、… 」遂興師。《史記》
予無知にして先祖の有徳の臣を以ふ。小子先功を受け、… 」遂に師を興す。
武王が家臣たちに言うには、「…私は無知であり、先祖から受け継いだ有徳の家臣を用いる。は先祖の功績を受け継ぎ、…」と。そしてついに殷を征伐する軍を興した。
勉哉夫子。爾所不勉、其爾身有戮。 《史記》
勉めよや夫子。爾の勉めざる所、其れ爾の身に戮する有らん。
頑張って戦え、あなたたちよ。あなた達が頑張らないと、きっと死が待っているだろう。
夫子曰、「何為不去也。」曰、「無苛政。」夫子曰、「小子識之。苛政猛虎也。」《礼記・苛政猛於虎也》
夫子曰はく、「何為れぞ去らざるや。」と。曰はく、「苛政無ければなり。」と。夫子曰はく、「小子之を識せ。苛政は虎よりも猛なり。」と。
(孔子が門人と旅の途中、家族を虎に食べられた女性と出会った。)孔子先生が言うには、「(虎がいて危険なら)どうしてここを立ち去らないのか、立ち去ればよい。」と。女性が言うには、「ここには苛酷な政治が無いからだ。」と。孔子先生が門人たちに言うには、「お前たち、今の言葉を覚えておきなさい。苛酷な政治は虎よりも厳しいのだ。」と。
微之、微之。見足下面、已三年。《白居易・与微之書》
微之よ、微之よ。足下の面を,見ざること、已に三年なり。
ああ微之よ、微之よ。あなたの顔を見なくなって、もう三年になる。
乃謂亭長曰、「吾知長者。《史記・項王自刎》
乃ち亭長に謂ひて曰はく、「吾公の長者たるを知る。
そこで項王が宿駅の長に話しけて言うには、「私はあなたが有徳の人物だと分かった。〈史記〉
子曰、「二三子、偃之言是也。 《論語》
子曰はく、「二三子、偃の言是なり。
孔子が門人に言うには、「お前たち、偃の言葉は正しい。